紫外線吸収剤と紫外線散乱剤とは?紫外線吸収剤は何がよくないの?
日焼け防止のための成分「紫外線吸収剤」が、あまり肌によくないとされているのはなぜなのかお話したいと思います。
日常使われている化粧品や日焼け止めには「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」という成分が含まれていて、紫外線を防止するという目的は同じでも、肌への負担には違いがあります。
そのあたりを詳しくお話していきます。
太陽光線の種類の中で約5%の紫外線を一般的にUVと略されています。紫外線には殺菌作用、ビタミンDの合成、血行や新陳代謝を活発にする、皮膚の抵抗力を高めるというような有用な働きがある反面、長時間紫外線にさらされることによってシミ・ソバカスなどを発生させ、老化を促す原因になります。
紫外線による皮膚へのダメージを少なくするためさまざまな化粧品が研究されていますが、その対策に「紫外線吸収剤」「紫外線散乱剤」という成分が応用されています。
紫外線吸収剤と紫外線散乱剤とは
1、「紫外線吸収剤」とは
紫外線から肌へのダメージを防ぐ成分です。紫外線を吸収してエネルギーに変えてお肌を守ってくれています。紫外線吸収剤は主に種類によって中波長域(UVB)長波長域(UVB)まで吸収しますが、吸収量には限界があってフルに吸収してしまうと効果はなくなります。
2、「紫外線散乱剤」とは
紫外線を肌の表面で乱反射させている成分で、二酸化チタン、酸化亜鉛などの天然のパウダーで肌を覆いそのパウダー上で紫外線を反射させるので、比較的肌への負担は軽くなっています。但し肌を乾燥させる恐れはあります。
日焼け止めを使うと肌が乾燥することが問題で、乾燥すると肌の細胞と細胞の間に隙間ができ、そこから紫外線が入りやすくなるのでダメージをより受けやすい状態になってしまいます。
最近は日焼け止めの商品自体に保湿力を重視しているものも多く出てきています
「紫外線吸収剤」は何がよくないの
1、「紫外線吸収剤」がよくないとされる理由
SPF50など、数値が高いものはお肌への負担も高いといわれています。
1-1簡単にいうと、肌の上で化学反応をおこす際に負担がかかるということです。
お肌に紫外線を吸収したときに「紫外線吸収剤」によって熱エネルギーを放出する際に起こる化学反応が肌へ何らかの影響を及ぼすことがある可能性がないとはいえないです。
2-2「紫外線吸収剤」自体が化学的に合成されたものであることと、製品をなじませる際に添加物を加えている場合も多いので自然由来のものに比べると当然肌への負担がないとはいえないです。
という点からですが、ほとんどの人は、この負担は肌への刺激にはならないのですが、お肌の状態や肌質によって、アレルギー反応がおきてしまう場合があります。敏感肌の人は特に注意が必要です。
合成界面活性剤(特に石油系界面活性剤)、人工香料・人工着色料、保存料などの表示にも注意しましょう。
2、紫外線吸収剤の成分
代表的な紫外線吸収剤には下記のものがあります。
パラメトキシケイ皮酸2エチルヘキシル
パラジメチルアミノ安息香酸2エチルヘキシル
オキシベンゾン
4-tert-ブチル-4-メトキシジベンゾイルメタン
メトキシケイ皮酸オクチル
サリチル酸フェニル
ジメチルPABAオクチル
メギゾリルSX
t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン
ベンゾフェノン-9
など30種類以上あります。
「紫外線吸収剤」を使用せずに高い日焼け止め効果を期待できる商品(紫外線吸収剤不使用(フリー))と書いてある製品が多くなってきました。敏感肌や肌が弱い方は注意が必要ですが、最近では技術レベルの向上により吸収剤を極小カプセルに閉じ込めて肌に直接触れないようにするという画期的な技術も開発されているので、結論として紫外線吸収剤は必ずしも悪いものではないといえます。
紫外線散乱剤成分と弱点
1、「紫外線散乱剤」の特徴と成分
「紫外線散乱剤」肌の上で化学反応を起こすことなく、単純に肌の表面をベールのように覆い物理的に紫外線をお肌の上で反射させ日焼けを起こさないようにしています。
●酸化チタン
●酸化亜鉛
●カオリン(粘度)
などの金属を酸化させた細かい粉や粘度質の粉などが使われています。
2、「紫外線散乱剤」の弱点
肌への負担は紫外線吸収剤より少なくて済むといえるようですが以下のような弱点もあります。
●汗や皮脂に弱く崩れやすい
●粉っぽく白浮きしやすい(成分が粉なので日焼け止め効果が高くなるほど白くなりやすい)
●粉が皮脂を吸収し乾燥しやすくなる。
●白浮きを防ぐために酸化チタンや参加亜鉛などをナノ化している製品が増えてきていますが、ナノ化した細かい粒子が体内に入り込みアレルギー反応を起こすこともあるようです。
SPF値とPA表示とは
1、SPF値とは
UVBによって赤く日焼けするのをどれだけ遅らせるかを表す数値です。
例えばSPF30の数字は、おおよそ20分で日焼けをする人ならば20分×30=600分つまり約10時間は効果が有効ということです。
2、PA表示とは
UVAによる皮膚が黒く焼けるのをどれだけ遅らせるかを表示したものです。
日焼け止めを全く塗らないのに比べて+が多いほど遅らす効果が高いということです。
-まとめ-
結論として紫外線吸収剤は決して悪いものではないようです。ほとんどの人にアレルギー反応が出ることはないですし、最近では、紫外線吸収剤をカプセルに閉じ込め、直接肌に触れないようにする技術も開発され肌への影響も軽減されています。但し、敏感肌やお肌の弱い方は避けた方が無難といえるでしょう。
お肌への負担を考えるとSPF値が低く、紫外線吸収剤不使用(ノンケミカルなどの表示)されているものを、こまめに塗りなおすことをお薦めしますが、その上からファンデーションを塗ることでもかなり効果はアップします。その場合に塗りムラをつくらないように注意し、オフする時は毛穴に残らないようクレンジングによる丁寧な洗顔をこころがけましょう。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
またお目にかかれることを、楽しみにしております。
?マナー&エステ サロンドクレモナ?
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